【衆院予算委】「国民の暮らしを後回し」 階幹事長、物価高対策や財政健全化などで総理をただす

衆院予算委員会で7月27日、集中審議が行われ、中道改革連合の階猛幹事長と後藤祐一議員が質疑に立ちました。
階猛幹事長
階幹事長は(1)内閣支持率低下の要因(2)物価高対策と実質賃金・労働分配率の引き上げ(3)金融政策の正常化と財政健全化目標(4)皇室典範・副首都法案の付帯決議の尊重――等について、高市総理大臣らの姿勢をただしました。
内閣支持率低下の要因
階幹事長は冒頭、主要新聞の世論調査で内閣支持率が大幅に低下していることを指摘し、高市総理にその原因を問いました。高市総理は「一つひとつの世論調査の結果について、下落している原因を私自身が分析することは困難」と述べるにとどまりました。これに対し階幹事長は、物価高で冷房や食事を控える生活者の暮らしを後回しにしてきたこと、国会での説明責任よりSNSでの自己アピールや党利党略に基づく議員立法の拙速な推進を優先してきたことの2点を要因として挙げ「国民と国会を軽視したツケが回ってきたのではないか」と指摘しました。
物価高対策と実質賃金上昇に向けた分配回路の整備を要求
物価高対策に関連し、階幹事長は実質賃金の上昇に向けて非正規雇用の制限や取締役会への労働者代表の参入など、労働分配率の引き上げに向けた具体的な手立てを求めました。高市総理は労働分配率の引き上げについて階幹事長と同様の考えを示した上で、コーポレートガバナンス・コードの改訂や成長投資ガイダンスの公表、日本成長戦略の推進などを通じて官民の成長投資を拡大し、物価上昇に負けない賃金上昇を実現すると答えました。また、最低賃金の引き上げ目標が後退した点を巡り、階幹事長が中小・零細企業へのさらなる支援を求めたのに対し、高市総理は重点支援地方交付金の交付や所得税減税などの対応を進める考えを示しました。
金融政策の正常化と財政運営の目標変更を追及
急激な円安の進行を巡り、階幹事長は金融政策の正常化に向けて日銀への介入懸念を払拭し、自主性を尊重すべきだと迫りました。高市総理は「日銀法第3条に基づき、金融調整などの手段は日本銀行に委ねられている」と明言しました。さらに階幹事長は、骨太の方針においてプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化にこだわらず、国と地方の総債務残高対GDP比を目標の中核に据えたことについて、政府がコントロールできない目標ではなく、管理可能なプライマリーバランスや財政収支を目標とすべきだと主張しました。高市総理は、総債務残高対GDP比を中核的な目標としつつ、プライマリーバランスも指標として改善・管理していくと説明しました。また、基金の放置問題を巡り、片山さつき財務大臣は「会計検査院の指摘を踏まえ、メリハリをつけた見直しを行う」と答弁しました。
皇室典範や副首都法案の付帯決議の尊重を求める
皇室典範改正法の成立に伴う付帯決議に関し、階幹事長は女性皇族の配偶者や子の地位などを検討するため、速やかに有識者会議を立ち上げて議論を始めるべきだと提案しました。しかし、高市総理は「令和3年の有識者会議の報告から状況は変化しておらず、直ちに新たな有識者会議を設置する考えはない」と否定。階幹事長は「検討する気がなく先送りではないか」と指摘しました。
また、副首都法案の付帯決議を巡り、大阪府の吉村洋文知事(日本維新の会共同代表)がこれを軽視するような発言をしたことについて、階幹事長は自民党総裁でもある高市総理から撤回を求めるべきだと追及しました。高市総理は「総理として自治体の長の発言へのコメントは差し控えるが、政府として付帯決議の趣旨を十分に尊重する」と述べるにとどまりました。
最後に階幹事長は、企業・団体献金の規制強化こそ取り組むべきだと訴え、国民の暮らしを重視した政治姿勢への転換を求めました。

後藤祐一議員
後藤祐一議員は(1)「サナエ・トークン」を巡る高市事務所の関与疑惑(2)国債利払い費の急増と財源確保の不透明さ――等について、高市総理大臣らの姿勢をただしました。
「サナエ・トークン」を巡る高市事務所の関与疑惑
後藤議員は、高市事務所の関与が疑われる暗号資産「サナエ・トークン」について、発行事業者が無登録で売買や勧誘を行っている疑いがあると、問題視しました。金融庁は、無登録業者に関して「インターネット上の情報だけではなく、当該事業者への任意のヒアリングも行って、実態把握を行っております」と答弁し、金融庁の一般的な対応方法を説明しました。
次に、奈良県の自民党青年局の有志が運営する「チームサナエ」の公式Xアカウントが、ノーボーダーの投稿をリポストし、サナエ・トークンの拡散に加担した疑いについて追及。高市総理はリポストの事実を認めつつも、暗号資産であるとの説明はなく、自身の認識もなかったと答弁。その上で、高市事務所として、サナエ・トークンの発行や取引を承認した事実は一切なく、関係者による取得や売却もないと否定しました。
国債利払い費の急増と財源確保の不透明さ
後藤議員は、急増が見込まれる国債の利払い費や防衛費など、今後の財政運営に対して危機感を表明しました。財務省の試算を基に、防衛費の増額や消費税減税などを合わせると、2035年度には年間約50兆円の追加財源が必要になると、政府の財政政策を問いただしました。高市総理は、骨太の方針に基づき、市場動向や経済状況を注視しながら財政運営を行う考えを示し「強い経済の実現と財政の持続可能性を両立させていく」とは述べましたが、具体的な財源確保について明言を避けました。
最後に後藤議員は、AIを活用した予算や政策の効率化を提案し、抜本的な行財政改革を要求しました。
