【衆院本会議】令和8年度補正予算に対する反対討論 福重隆浩議員

衆院本会議で6月4日、福重隆浩議員が「令和8年度補正予算」に対し、反対の立場から討論を行いました。討論後採決が行われ、「令和8年度補正予算」は賛成多数で可決し、参院に送付されました。
令和8年度補正予算に対する反対討論
中道改革連合・無所属 福重隆浩
中道改革連合の福重隆浩です。私は、会派を代表して、ただいま議題となりました、令和8年度予算2案につきまして、反対の立場から討論致します。
冒頭、先の当初予算の審議に引き続き、今回も政府・与党が「数の力」に物を言わせて国会審議を蔑ろにしたことについて、苦言を呈したいと思います。
そもそも、われわれは、2月に発生した中東情勢の緊迫化による国民生活への影響を早い段階から予見し、当初予算を審議している時点で、大幅な予算の増額、組み替えを求めておりました。また当初予算成立後も、現場を歩き、全国で実施したアンケート調査で、1万2千件を超える、国民の声を丹念にあつめ、その声にもとづく政策提言を、官房長官に申し入れるなど、あらゆる機会をとらえて、再三再四、補正予算の早期編成を繰り返し求め続けてまいりました。
しかしながら、高市総理には、国民の苦しむ声が耳に入らないのか、補正予算についても「必要ない」との立場を取り続けてこられました。
しかし、5月19日の党首討論を目前にする中、高市総理は考えを改められ、補正予算の編成に踏み切られたこと自体は、われわれの声を受けとめたものとして、本来歓迎したいところですが、決断のタイミングは遅く、後手に回ったと言わざるをえません。
さて、このような経緯の下、ようやく国会に提出された補正予算ですが、予算委員会における審議がわずか一日という、きわめて短い日程とされたことは、決してこれを前例としてはなりません。
加えて、そもそもわれわれには、審議すべき補正予算を十分に精査する時間さえ与えられておりません。通常、補正予算の国会提出前には、その基となる経済対策が策定されるか、そうでない場合でも、遅くとも1週間前には概算の決定が行われておりますから、事前にその内容について精査をした上で、予算審議に臨むことができます。しかし、今回の補正予算は、基となる経済対策もなければ、事前の概算決定もなく、昨日の閣議決定・国会提出を以て、初めてその詳細が明らかにされたわけであります。短い審議日程と相まって、充実審議の機会が大きく損なわれたことは否定し難い事実であり、誠に遺憾です。
以上申し上げた通り、この間の政府・与党の姿勢には容認しがたいものがありますが、予算そのものについても、重大な問題が存在しています。
今回の補正予算の総額は約3兆1000億円とされていますが、そのうちの3兆円、実に97%が予備費で占められています。これは、政府が国会に対して、すなわち国民に対して、税金の使い方を何ら示すことなく、「白紙委任」を求めるものであり、「財政民主主義」を定める日本国憲法の精神に反するものと言わざるを得ません。
そもそも、予備費は、「予見し難い予算の不足に充てるため」に設けられるものですが、政府は、去る5月26日、電気・ガス料金支援の財源に充てるため、予備費の支出を行っています。この電気・ガス料金支援は、われわれが当初予算の審議段階からその必要性を繰り返し訴えていたことからも分かるように、全く「予見し難い予算」ではありません。ただただ、政府の見通しの甘さ、予見能力の低さを示すものであり、そのような政府に、3兆円もの巨額予算を白紙委任する合理性は、どこにも存在しません。
また、高市政権成立以降、わが国の財政に対する信認が揺らぎ、急速な円安・金利上昇が進む中、3兆1000億円もの予算の財源の全額を特例公債に求めることは、看過し難いものがあります。総理は、前年度分の特例公債のうち、3兆円は発行せずに済むので、市中への発行総額は増やさずに対応できる、と胸を張りますが、これは何も今回に限ったことではありません。毎年度、決算の過程で、特例公債の発行は一定額抑制をされており、例えば、令和6年度決算では、5兆円もの発行抑制が行われていますが、これにより、翌年度の国債発行余力が高まったとの説明は、今まで聞いたことがありません。
政権発足当初と比較して、市場への影響に対する配慮が深まってきていることは評価致しますが、このような詭弁を弄するのではなく、正面から特例公債の発行抑制に努めるべきです。
このように、政府提出の令和8年度補正予算については、多くの問題を抱えていることから、われわれは、本予算について、撤回のうえ編成替えを求める動議を提出致しました。
本動議は、「白紙委任」の予備費ではなく、具体的な施策を掲げることにより、物価高の中でくらす、国民の命とくらしを守りぬき、国民が未来への希望をいだくことができるよう、特例公債の追加発行を一切行わないことによって、わが国の財政に対する市場の信認を維持し、更なる円安・金利上昇に歯止めを掛ける、責任ある補正予算へと転換を図るものでありますが、残念ながら否決されるに至りました。
以上のことにより、政府提出の原案をそのまま許容することは困難であることから、令和8年度補正予算については、反対をするものであります。
われわれは引き続き、「数の力」に圧倒されることなく、熟議を通じて、より良い社会を実現していくべく、全力を尽くしていくことをお誓い申し上げ、反対討論と致します。ご清聴ありがとうございました。

以 上