【衆院本会議】刑事訴訟法改正案、いわゆる再審法改正案について西村・平林両議員が趣旨説明・質疑

衆院本会議において5月26日、内閣提出の「刑事訴訟法の一部を改正する法律案」および西村智奈美衆院議員ほか3名が提出した「刑事訴訟法の一部を改正する法律案」、いわゆる再審法改正案について、趣旨説明・質疑が行われました。
西村智奈美議員が議員立法の趣旨を説明
議員立法の提出者を代表して西村智奈美議員が趣旨説明に立ち、袴田巌さんの事件で、逮捕から無罪確定まで58年もの歳月を要したことに触れ、「冤罪被害者の適正かつ迅速な救済」を図るため、再審および再審請求手続に関する規定を整備する必要性を訴えました。
西村議員は、議員立法案の主な内容として、通常審に関与した裁判官を再審手続から除く仕組み、再審請求手続に関する規定の整備、より広範な証拠開示、検察官による再審開始決定への不服申立て禁止などを説明。冤罪被害者を速やかに救済する制度への転換を求めました。
平林晃議員が政府案の課題をただす
中道改革連合・無所属からは平林晃衆院議員が質問に立ち、冤罪は、有罪とされた方や家族の人生を大きく狂わせ、命すら奪いかねない国家による重大な人権侵害であると指摘。再発防止と迅速な救済のため、被害者の声に寄り添った法改正を行うことは国会議員の使命であると訴えました。
平林議員は、再審法改正をめぐる主な論点として、検察官による不服申立て、証拠開示の範囲、証拠の目的外使用禁止、再審請求審における再審請求の入口段階で申請を却下できる規定(スクリーニング規定)を取り上げました。特に、袴田事件では再審開始決定から確定まで9年を要したことなどを挙げ、検察官による不服申立てが再審手続を長期化させているとして、例外なく禁止すべきではないかとただしました。
これに対し平口法務大臣は、検察官の不服申立てが機械的・形式的に行われ、手続長期化の原因になっているとの指摘があることを踏まえ、政府案では原則として禁止し、決定が取り消されるべき十分な根拠がある場合に限って認めると説明しました。一方で、全面的な禁止は、裁判所による慎重・適正な判断の制度的担保が失われるなどの課題があるとの認識を示しました。
証拠開示について、平林議員は、袴田事件や福井事件で、再審請求審において開示された証拠が無罪判決の決め手となったことを踏まえ、未提出証拠が広く開示される制度となるかが今回の改正の鍵であると指摘しました。また、証拠の全体像を把握するため、送致書類等目録の開示も重要であると述べました。
平口法務大臣は、政府案の証拠提出命令制度について、従来の実務運用を否定するものではなく、一定の場合に裁判所が検察官に証拠提出を命じる義務を設けるものだと説明しました。これに対し西村議員は、議員立法案では、検察官等が保管する証拠だけでなく、送致書類等目録も開示の対象に含めることで、再審請求人側が的確に主張を組み立てられるようにしていると述べました。
さらに平林議員は、政府案が証拠の目的外使用を罰則付きで禁止している点について、支援者や専門家との共有、報道による検証が妨げられ、冤罪被害者の救済を遅らせるおそれがあると指摘しました。また、スクリーニング規定についても、真に救済が必要な冤罪被害者を門前払いすることにならないかとただしました。
平口法務大臣は、証拠の目的外使用禁止について、再審手続やその準備のための使用は認められると説明。また、スクリーニング規定については、調査手続の段階で棄却できる事由を法令上の方式違反などに限定しており、救済が必要な事件が門前払いされるおそれはないとの考えを示しました。
平林議員は最後に、「立法府は行政府から提出された法案を認めるだけの機関ではない。良識ある議員の皆さまと徹底的に議論を闘わせ、国民に真に寄り添った改正を成し遂げてまいりたい」と述べました。
