【衆院本会議】「医療保険制度を維持し、全世代型社会保障の実現を」濵地雅一議員が賛成討論

衆院本会議で4月28日、「健康保険法等の一部を改正する法律案」の採決が行われ、賛成多数で本法案は可決し、衆院に送付されました。
採決に先立ち、濵地雅一衆院議員が賛成の立場から討論を行いました。予定原稿は以下のとおりです。
健康保険法等の一部を改正する法律案についての賛成討論
中道改革連合 濵地雅一
中道改革連合の濵地雅一です。会派を代表し、健康保険法等の一部改正案に対し、賛成の討論を行います。
世界に冠たる国民皆保険制度の下、我が国の医療保険は国民の健康と生活基盤を支える重要なインフラとして機能してきました。しかし、世界一速い少子高齢化の進行、特に医療の高度化・薬剤の高額化が進む中、今後も適切な医療提供体制を維持できるのか、強い危機感を持っております。全世代型社会保障が叫ばれて久しくなりますが、現役世代の負担に頼る構造は改善されたとは言えず、社会保険料の負担に対する不満は増すばかりであります。
この問題意識に立って、以下賛成理由を述べます。
一つは国民健康保険料の均等割の軽減措置対象を高校生世代まで拡大し、子育て世帯の国民健康保険料が低減される点です。国民健康保険は被用者保険と異なり事業主負担がなく、世帯の加入人数に応じて保険料が算定されるため特に低所得者やフリーランスの方には負担が重かったものが、本改正で全国平均世帯当たり年間2万円の軽減となり高く評価します。次に後期高齢者医療保険料への金融所得の勘案です。ご存知のとおり、後期高齢者保険の税源はその半分が公費、残り半分が保険料、その保険料のうち4分の3は現役世代からの支援金で成り立っております。被用者保険の中には後期高齢者への支援金の方が加入者への給付額を上回るものもあり、被用者保険の財政を悪化させています。また高齢者間でも確定申告している方は保険料算定の基礎とされながら、源泉徴収される場合には保険料に算定されない世代内の不公平が指摘されておりました。今回この不公平を是正し、かつ現役世代の保険料の低減にもつながるため評価します。なお、現在、窓口3割負担となる現役並み所得の高齢者の保険料には公費助成がないため、金融所得の勘案が進み3割負担者が増加すると逆に後期高齢者支援金が増加する懸念があり、この点は早急な対応を求めます。
次に妊娠・出産に対する支援が大幅に強化される点です。
これまで出産一時金で支援してきましたが、出産費用の上昇や地域間・施設間の差が顕著となり、出産費用を全国的に支援することは困難となっております。本改正ではお祝い膳などのサービス部分と保険診療部分を除く分娩費用は医療機関に直接給付する現物給付方式が導入されます。平たく言えば標準的な出産費用は自己負担なく保険適用され、出産への安心感が増すことになります。妊婦検診については、検診項目の全国的な標準化、費用の平準化が図られます。現在は自治体ごとに検診項目にばらつきがあり、検診の自己負担額も0円の自治体が3割ある一方、3万円以上が1割もあります。今後は自治体及び医療機関に望ましい基準と標準額を示す努力義務が課され、妊婦検診の見える化が図られます。なお、出産費用については、当分の間、現行の出産一時金による現金給付方式と新制度である保険適用の現物給付方式が併存します。確かに新制度への移行には相応の準備期間が必要ではありますが、制度の整合性を確保する観点からは併存期間はできるだけ早期に解消すべきであり、新制度の給付水準に優位性を持たせることが必要と考えます。加えて周産期医療体制の支援事業については社会保険料抑制の観点から公費による支援とするよう強く要望しておきます。以上、評価する主な点ですが、委員会質疑では多くの懸念される点がありました。
一つは高額療養費。高額療養費は最後のセーフティーネットとして欠くことのできない国民皆保険の中核的制度です。政府は昨年、高額療養費の引き上げにつき予算案の修正を余儀なくされました。今回は社会保障審議会に専門家委員会を設け、患者団体を含めた関係当事者との9回の協議を行い、とりわけ長期療養者の家計に与える影響を勘案し、多数回該当金額の据え置きや、年間上限額を設定した点は評価を致します。しかし、専門委員会において関係者に最終的な金額を提示したのは協議最終盤であり、進め方に問題があったと言わざるを得ません。また多数回該当や年間上限に当たらない療養者にとっては大幅な負担増となる場合もあり、関係者の理解が得られたとはいえない状況でした。そこで中道改革連合は「国民が安心して利用できる高額療養費制度の見直し法案」を他会派とともに共同提出しました。
この議員立法は政府案の115条に定める高額療養費の支給要件の考慮事項を加重・上乗せするプログラム法案です。我々は単に政府案に反対・対決姿勢ではなく、政府案と両立をする形で高額療養費制度の維持と患者をはじめとする関係者の懸念を払拭し得る現実的な議員立法として提出しましたが、残念ながら成立には至らず継続審議としました。
一方で最後の総理入り質疑ではこの議員立法の趣旨を受け、今後の見直しにあたっては、「今回と同様に患者団体を含む当事者が参画する審議会の形式を維持し、必要な資料を示して丁寧な議論を行っていくこと」「配慮が必要な方にはしっかりと必要な受診が確保されるよう対応すること」さらに「加入する保険者が変わると多数回該当がリセットされてしまう制度の欠陥は早急に見直していく」旨など前向きな総理答弁がなされました。今後はこの総理答弁を重く受け止め、患者も納得し得る対応を強く求めます。
もう一つの懸念は、OTC類似薬の一部保険外診療です。医療用を処方される患者とOTCで対応している方の公平を図るため保険収載薬価の4分の1の特別の料金を求める改正の趣旨は理解しますが、この特別の料金を免除される要配慮者の範囲が不明確なことでした。委員会質疑では、要配慮者の範囲につき、「子ども」は高校生世代までを含めること、また「がん患者や難病患者など慢性疾患を抱える方」とは公費負担の対象とならない指定難病者を含む難病やがん患者をはじめ、身体的負担が重く継続的に行われる治療の際にOTC類似薬が使用される場合を指すこと、さらに「入院患者」は特定の疾病に限定しないこと、アトピー性皮膚炎など年間を通じて症状が継続し通院が必要な長期使用の場合は負担を求めないことなど具体的な答弁があり、省令の基準が明確化されました。
今後、見直しをする際には、附則の検討事項に示された考慮事項を遵守し、安易な拡大を行わないことを強く申し上げておきます。
最後に、イラン情勢の影響から国民生活を底支えするため、本日中道・立憲・公明の3党で経済対策及び補正予算を求める緊急提言を行いました。医療現場でも透析回路をはじめ供給に不安が広がっています。医療物資の優先供給の枠組みの構築など早期の編成を求め、賛成討論を終わります。
