【衆院本会議】大森江里子議員が「所得税法等改正案」等4法案に対する討論

 衆院本会議が3月13日開かれ、「財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案」「所得税法等の一部を改正する法律案」「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案」「関税定率法等の一部を改正する法律案」の4法案の採決が行われ、与党などの賛成多数で可決、参院に送付されました。
 採決に先立ち討論が行われ、中道改革連合・無所属を代表して大森江里子衆院議員が登壇。「財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案」および「所得税法等の一部を改正する法律案」には反対の立場から、「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案」および「関税定率法等の一部を改正する法律案」には賛成の立場から討論しました。

所得税法等改正案など4法案に対する討論

令和8年3月13日
中道改革連合大森 江里子

1. はじめに

 中道改革連合の大森江里子でございます。

 会派を代表して、「財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案」並びに「所得税法等の一部を改正する法律案」に反対。
 「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案」及び「関税定率法等の一部を改正する法律案」には賛成の立場で、討論いたします。

 国民の皆様からどのように税金をお預かりするのか、来年度以降の赤字国債の発行をどうするのか、東北の復興財源をどうするのか、関税をどうするのか、これらはいずれも国民生活に直結する極めて重要なテーマであります。

 本来は一本ずつ丁寧に審議し、国民の皆様に納得と共感を得ようと努めるのが政府の姿勢であり、わたくしたち国会議員の責務であるはずです。
 それを4本束ねて、わずか10時間の審議で本日の本会議に付すなど、「国会軽視」「国民生活軽視」の横暴であります。

 政府・与党は、もっと国民の立場に寄り添って、国民生活に思いを馳せて、政権運営を行って頂きたい。まずこのことを強く申し上げ、討論に入らせていただきます。

2. 所得税法

 まず、「所得税法等の一部を改正する法律案」について、反対の立場から討論します。

 本改正案は、昨年12月末にとりまとめられた与党税制改正大綱をもとにつくられております。今般のイラン・中東情勢の緊迫化、ホルムズ海峡の封鎖等による国民生活への影響は全く加味されていません。
 攻撃前1バレル67ドル台だった原油価格は、現在90ドルを超え、3割以上も急騰しています。なお、民間エコノミストによれば、1 バレル87ドルの場合、国内ガソリン価格は204円になると分析しています。
 エネルギーの輸入依存度が高いわが国にとって死活問題です。ウクライナ危機を思い起こせば、原油価格の急騰に伴い、ガソリンなどの燃料油価格が急騰。これに伴い、電気代やガス料金の上昇、輸送コストも上昇したことによって物流や外食などのサービス価格も含め幅広い品目の値上げへとつながっていきました。

 さらに、輸入依存度の高い小麦の高騰も相まって、食品の大幅な値上げにもつながりました。今回再び、家計への負担増が直撃するのではないかと心配の声が広がっています。また、企業においては、賃上げの原資を圧迫するという恐れもあります。

 こうしたことが想定される中において、国民生活が再び厳しい状況に見舞われることが目の前に見えている中で、「防衛特別所得税」として所得税に 1%を付加する必要があるのでしょうか。

 委員会審議において、わが党議員の質問で、防衛力強化に必要な毎年1兆円強の税収は、防衛特別法人税の創設とたばこ税の見直しで確保できることが明らかになりました。平年度で1兆390億円の税収が見込まれています。つまり、防衛特別所得税を創設しなくても防衛力強化に必要な財源を確保できるのです。

 所得税の基礎控除の物価スライド制を導入し、中間層の所得を底上げするために、特例的に控除を引き上げようとする一方で、所得税1%の付加税を創設するというのは、まったく納得できません。
 わたくしたち中道改革連合は、生活者ファーストの視点から、この、当初予定していた「防衛特別所得税」の創設はただちに「撤回すべき」と主張します。

 中小企業・小規模事業者を支える税制も不十分です。消費税のインボイスに係る経過措置である、いわゆる2割特例は3割特例に縮減され、対象も法人が除かれて個人事業主のみに絞られてしまいます。厳しい経営環境の中にあって、せめて小規模な法人などは対象に残すべきです。

 ともあれ、防衛増税の撤回がなされなければ、私たち中道改革連合は本法案には賛成できません。国民の生活を最大限に尊重し、防衛増税の撤回を強く求めます。

3. 特例公債法改正案

 次に、「特例公債法改正案」について、反対の立場から討論を行います。

 政府案は赤字国債の発行を可能とする期間を5年間延長しようするものであります。これに対して私たち中道改革連合は、国民民主党とともに、令和8年度のみ特例公債の発行を認める議員立法を提出いたしました。

 日本経済はデフレからインフレへ転換し、円安が進行し、金利が上昇しています。こうした中で、財政の信認が低下すれば、ますます円安が進み、物価上昇に拍車がかかります。金利が上昇すれば、国債費が増大していきます。

 政府はプライマリーバランスが黒字化したと主張していますが、歳出の4分の1を公債が支えるという構造は変わっておらず、今後の利払い費の急増で必要な政策経費が圧迫されていく将来も否定できません。

 これまでと同様に5年間単純延長するのは、リスクが非常に大きいのではないでしょうか。毎年、国会で審議した上で公債発行を決めていく方が、わが国の財政規律を高め、市場の信認を確保できると考えます。

 財政の責任をしっかりと果たしていくためにも、単年度ごとに国会でチェックする仕組みにすべきであり、政府案には反対します。

4. 復興財源確保法、関税定率法

 東日本大震災の発生から15年を迎えましたが、東北の復興はいまだ道半ばであり、人間の復興には終わりがありません。来年度からの5年間を「第3期復興・創生期間」と位置付け、山積する課題の解決へ道筋をつけなければなりません。このための財源はしっかりと確保する必要があります。

 また、404品目に及ぶ関税の暫定税率は国民生活に必要です。また、輸入貨物や訪日外国人が急増する中で、アンチダンピング関税の創設や、安全かつ円滑な税関体制の確保など、国民生活を守るためにも着実に実施すべき重要な課題であります。

 こうした観点から、「復興財源確保法改正案」と「関税定率法等改正案」については賛成です。

5. おわりに

 以上、4法案に対する賛否とその理由を申し述べました。

 高市総理は、「国民の皆様の生活に支障を生じさせないよう、年度内に成立させたい」と主張されています。それは私も理解できます。

 しかしながら、大きな変化が生じた際に、国民生活の安心を確保するために、より良い方向へ修正をすることもまた、国民生活のためだと思います。

 私たち中道改革連合は、人間主義、平和主義、中道の理念を根本に、どこまでも生活者ファーストの政治の実現へ、全力を挙げていくことをお誓い申し上げ、わたくしの討論といたします。ご清聴ありがとうございました。

衆本_所得税法改正案など4法案に対する討論:大森江里子.pdf

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