【衆院本会議】早稲田ゆき議員「安心して医療を受けられる社会の実現をめざす」

衆院本会議で健康保険法改正案に対する代表質問が行われ、早稲田ゆき議員が登壇しました。予定原稿は以下の通りです。
健康保険法改正案に対する代表質問
令和8年4月9日 中道改革連合早稲田ゆき
中道改革連合の早稲田ゆきです。私は、健康保険法改正案について、中道改革連合を代表して質問いたします。
中東情勢の正常化は世界にとって、我が国の国益、とりわけ安心安全な医療提供体制の確保にとっても直結する最重要課題です。総理、報道によれば、イラン大統領と電話会談を行ったとのことですが、永続的な停戦の働きかけやホルムズ海峡の安全航行確保について、どのような具体的成果があったのか伺います。
中東情勢に伴う危機対応
いま中東情勢の緊迫化を背景に、我が国のエネルギーと化学原料の安定供給に対する不安が高まっています。中道改革連合としては、それぞれの地元で医療・介護事業者や企業などに「イラン情勢に伴う影響調査」行っており、近日中に取りまとめ、政府に提言する予定です。日本の医療、暮らし、地域経済、そして雇用を守れるかどうかという、まさに我が国の存亡にかかわる危機管理が問われています。
政府は、ナフサについて代替調達、在庫活用、国内精製を組み合わせ、化学品全体として国内需要4か月分を確保したと説明しています。しかし同時に、供給の偏りや流通の目詰まりが生じていることも認めています。重要なのは国全体の量ではなく、必要な医療機関、医療材料メーカー、工事現場や事業者に、必要なタイミングで確実に届くかどうかです。
とりわけ医療分野は、一つの資材、原料の滞りが、診療や手術の継続に影響しかねません。また塗装、防水、設備工事などの中小事業者にとっても、原料不足や価格高騰は、受注停滞、資金繰り悪化、雇用不安につながります。
総理に二点伺います。第一に政府は「国全体として必要量は確保している」と言いますが、現場で重要なのは、到達性です。医療機関や事業者について、品目別・地域別の供給状況を把握し、目詰まり時に省庁横断で即時に融通調整できる仕組みを早急に整えるべきと考えますが、総理の見解を伺います。
第二に価格転嫁が困難な病院や介護施設への支援や、施設の建設・維持補修に不可欠な塗装、防水工事など石油由来資材不足の直撃を受ける業種への運転資金や雇用維持支援も急ぐべきです。平時の延長線上の対応では不十分であり、私たち中道は予算審議では、当初予算の組み替えを求めましたが、補正予算を機動的に編成すべき局面にあると考えますが、総理の見解を伺います。
OTC類似薬の保険適用の見直し
次にOTC類似薬の保険適用の見直しについて、年間約1,880億円の医療費削減、1人当たり保険料約800円の軽減との報道がありますが、これは食品類似薬の保険給付の見直しや長期収載品の選定療養拡大等を含むもので、湿布薬や解熱鎮痛薬など77成分、約1,100品目のOTC類似薬に限れば、削減効果は約900億円、保険料軽減は約400円にとどまります。
現役世代の負担抑制の観点から一定の合理性は認められるものの、患者負担の増加への懸念にも答えるべきです。総理、今回の見直しで患者の自己負担がどの程度増加すると試算しているのでしょうか。受診控えや治療の遅れへの影響、特に子ども、がん患者、難病患者、低所得者など継続的に医薬品を使用する方々への配慮、対象範囲や判断基準を明確にお示しください。
さらに、服薬指導や重複投薬防止の観点で安全性が低下する懸念にどう答えるのか。加えて、中長期的に医療費や受診行動に与える影響について総理の見解を求めます。
出産に伴う経済的負担の軽減
次に出産に伴う経済的負担の軽減について伺います。令和6年度における正常分娩の平均出産費用は約52万円とされ、現行の出産育児一時金の額を上回っており、地域や医療機関によって自己負担が生じています。少子化が進行する中、出産に伴う経済的負担の軽減は喫緊の課題であり、安心して子どもを産み育てられる環境整備が求められます。
政府は、地域や施設による分娩費用の差をどう認識しているのでしょうか。本法案による新たな給付方式で、地域間・施設間の費用格差がどの程度是正されると見込んでいるのか、総理、具体的な効果の見通しをお示しください。
また、新たな給付方式の導入により、地域の出産体制を支える助産所に過度な事務負担が生じないようどのような支援措置を講じるのか上野厚労大臣に伺います。
東京都の取り組みが示すように、無痛分娩のニーズは高まっております。総理、安全確保を前提に、費用負担軽減や体制整備など支援を拡充すべきではないでしょうか。
妊婦健診については総理大臣が全国一律の「標準額」を定めるとされていますが、公費負担の自治体間格差や医療機関の価格設定のばらつきがある現状において、一律の「標準額」設定のみで本当に自己負担軽減につながるのか疑問です。標準額と実勢価格の乖離をどう防ぐのか総理に伺います。
妊婦健診の公費負担は、かつては国庫補助で行われていましたが、徐々に一般財源化され、2013年度からは14回分すべてが地方交付税措置とされています。そのため今回の負担軽減策において、地方交付税の不交付団体には財源が直接措置されず、自治体間格差が残る懸念があります。これに国としてどう対応するのか、全国どこでも安心して出産できる環境を整える観点から、総理の認識を伺います。
医療機関の業務効率化・勤務環境改善
医療機関の業務効率化及び勤務環境改善について伺います。本法案の地域医療介護総合確保基金の新たな事業について、老朽化した施設の改修や設備更新などに非常に使いにくいとの指摘があります。制度の柔軟な運用を図るべきと考えますが、上野厚労大臣の見解を伺います。
医師の働き方改革が本格化する中で、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等へのタスクシフト・タスクシェアをどのように進めていくのか。また医療従事者の確保や労働時間の削減について、今回の基金事業によりどの程度の効果を見込んでいるのか、数値目標を含めて示すべきではないでしょうか。総理の認識を伺います。
高額療養費制度の見直し
最後に、高額療養費制度の見直しについて伺います。
本制度は、重い病気にかかった場合でも患者の自己負担が過度にならないよう一定の上限を設け、必要な医療を安心して受けることができるようにする、国民皆保険制度を支えるセーフティネットです。とりわけがんや難病の患者にとっては、命と生活を支える制度です。
一方で、高額薬剤の普及などにより給付が増えていることも事実で、制度持続のため見直しの議論をすべきことは理解しますが、その際には他の事項も含め、医療保険制度全体の中で議論していくことが必要です。
今回、改正案の健康保険法115条等に長期療養者の家計への影響の配慮などが明記され、昨年から一歩前進したことは評価します。
しかし他方で、月ごとの限度額抑制が不十分なため、多数回該当や年間上限に該当しない場合の患者負担は現行より増え、最大で38%の自己負担増が見込まれます。
政府は今回の見直しで、約2,450億円の給付費が減り、保険料は1人当たり年間約1,400円程度減少すると言いますが、これは患者側の負担増と表裏の関係にあります。
苦しい治療と仕事の両立が難しくなるため、患者団体からは、治療開始後に所得が3割程度減少したとの調査結果も示されており、医療費増と所得減が同時に生じることになります。全国がん患者団体連合会の天野理事長は参議院で、「経済的負担で治療を控える患者が更に増える可能性がある」と発言されています。まさに命に直結する問題です。
社会保障制度の持続性の確保は重要ですが、制度見直しには患者団体など当事者の意見をどのように聴取し、制度に反映させていくのかも極めて重要です。必要な医療へのアクセスが損なわれることがあってはならないという視点で、私たち中道改革連合は高額療養費の手続きに関して法案を検討中です。
専門委員会には患者団体も参画し、引上げ案には納得済と誤認される政府答弁もありましたが、具体的な負担額が提示されたのは、12月25日の専門委員会であり、その前日に患者団体が提出した共同声明に関わらず、金額の協議はなされぬまま解散、総選挙となり、引き続きの検討が行われないままになってしまったと聞いています。
70歳未満の方の2万1千円以上の治療費しか加算されない仕組みや年間上限の償還払い、患者申告制の運用、退職や転職などによる保険者変更時の多数回該当リセットなど、課題は積み残されています。 最も重要な上限引き上げ額に対する患者団体の意見を反映させずに見直しを強行することは本末転倒ではないですか、総理の見解を求めます。 とりわけ現役世代の患者は、治療による収入減少に、住宅ローンや教育費などの支出が重なる世代でもあり、家計への影響は極めて深刻です。総理、扶養家族の有無や子育て世帯への配慮、月ごとの限度額引き上げが治療断念や生活破綻につながることがないように抑制するなどすべきではないですか。月額上限の引き上げを再検討すべきではないですか。収入に応じたきめ細かな負担区分、実態調査、がん対策基本法を参考にした当事者協議会での意見聴取を行うべきではないですか。 総理は難病患者の当事者でもあり、総裁選において、高額療養費制度の自己負担限度額の見直しについて反対を表明されたと承知しています。当事者としてのご経験をお持ちである総理の見解を伺います。 以上、申し上げましたとおり、本法案は国民生活と医療制度の持続可能性の双方に深く関わる重要広範議案です。政府には、その具体的効果と国民負担への影響を国民に対し丁寧に説明する責任があります。今後、厚生労働委員会において十分な時間をとって、徹底した審議が行われることを強く求め、私の質問を終わります。
