【衆院本会議】国家情報会議設置法案「情報強化と人権保護の両立が必要」後藤祐一議員

20260402 衆院本会議国家情報会議設置法案 後藤祐一議員

 衆院本会議で4月2日、「国家情報会議設置法案に対する本会議質問」に対する趣旨説明質疑が行われ、後藤祐一衆院議員が会派を代表して質問しました。予定原稿は以下のとおりです。

国家情報会議設置法案に対する本会議質問


令和8年4月2日
中道改革連合 後藤祐一

中東情勢に伴う危機対応

 私は、国家情報会議設置法案について、中道改革連合を代表して質問いたします。まず冒頭、中東情勢に伴う物資の確保について伺います。厚労大臣に伺いますが、大病院と小さなクリニックで医療関連用の物資のひっ迫度合いが違うのか、卸段階も含め、念のためあるいは値上がり期待で過剰な在庫を抱えていないか、また、例えば使い捨て手袋は介護や食品加工などでも大量に使われていますが、同じことが起きていないか、現在の状況をお答えください。 赤沢重要物資安定確保担当大臣に伺いますが、製造業もサービス業も農林水産業もプラスチックを使わない方が珍しいのですから、中東情勢の影響を受けうるあらゆる業界のサプライチェーン全体を通じ、どこでひっ迫しているか、価格高騰していないか、念のためと値上がり期待の過剰在庫を抱えていないかなど、中東情勢の影響を受ける物資の需給と価格について広範な調査を至急行うべきではないでしょうか。極端な供給不足や悪質な場合は国民生活安定緊急措置法等に基づく法的措置を取ることの検討、現行法で難しい場合には第一次石油危機時には経済企画庁が関連法案を作ったように、内閣官房主導で法案も含めた制度的対応を検討すべきではないでしょうか。

 高市総理に伺いますが、韓国大統領が既に行っているように、経済に悪影響のない範囲で、国民に節電と節約の協力を求め始めるべきではないでしょうか。

 高市総理、国民生活が危機にあるとの認識はありますか。緊急性のない国旗損壊罪や副首都法案より第三次オイルショックともいうべき危機対応に専念すべきではないでしょうか。その優先順位についてお答えください。

立法事実

 国家情報会議設置法案について、以下全て高市総理に伺います。国家情報局が、各行政機関からの情報収集以外に、自ら直接行政機関の外側からどのような情報収集をする機能を持つことになるのでしょうか。情報収集衛星はじめ現行の内閣情報調査室(内調)の持つ情報収集機能を超えて新たに加わるものはあるのでしょうか。そもそも現行の内調が自ら直接行っている情報収集とは、どんな分野でどのような対象に対して行っているのかお答えください。 本法案施行前と後で、警察、公安調査庁をはじめ各行政機関が行える情報収集に関する事務で新たに可能になるものはあるのでしょうか。特に、通信傍受法を適用して通信傍受することがありうるのでしょうか。本法案施行後、より多くの情報関心・情報要求が政策部門から情報部門に対して示され、この要請に基づいて通信傍受が行われることがありうるのでしょうか。

 現行の内調や警察、公安調査庁の情報収集機能として加わるものがあまりないとした場合、本法案の施行の前後で情報収集能力の強化につながる具体的な効果は、行政府内での情報疎通の向上以外にあるのでしょうか。行政府内での情報疎通の向上自体は有意義だと思われますが、本法案で新たに可能となる事務で、現行法の解釈上できないことはあるのでしょうか。第7条第2項で各府省の国家情報会議への情報提供が義務になることだけでしょうか。現行の内閣情報会議及び内調で具体的にできない、やりにくいことがあって、この法案が施行されればできるようになる具体的事実を挙げて下さい。

人権や自由の観点からの懸念

 人権や自由の観点からの懸念について伺います。国家情報会議及び国家情報局が(情報機関経由を含め)収集対象とする情報は、個人や民間企業・団体の持つ情報そのものも対象となりえますか。また、行政機関が保有する個人や企業に関する情報、例えば警察が別の目的で収集した個人情報を、国家情報局が指示をして収集することはできますか。これらの可能性がありうる場合、プライバシー、個人情報、企業秘密の保護の観点から懸念がありえますが、これらの懸念に対する配慮については、法的にどのように担保されるのでしょうか。第3条に基づいて作成される基本的な方針に盛り込まれるのでしょうか。また、問題ないというのであれば、国民に対する説明責任はどのように果たされるのか、伺います。

対象となる情報、政治的中立性

 国家情報会議が調査審議の対象とする「重要情報活動」とは、すなわち「重要国政運営」に資する情報の収集調査に係る活動をいうとされていますが、かなり広く読める定義であり、拡大解釈のおそれがありえます。例示されている、「安全保障の確保、テロリズムの発生の防止、緊急の事態への対処」以外の「その他の我が国の重要な国政の運営」に該当する具体例を挙げてください。政府や与党に対する反対活動や野党の活動、選挙そのものや選挙運動に関する情報収集活動などは含まれないということでよいでしょうか。この点、あいまいな答弁では国民の理解は得られません。明確にお答え下さい。

 国家情報会議及び国家情報局は、政治的に中立な活動しかできないということでしょうか。政治的に中立でない活動をしていないことをどのように立証するのでしょうか。政治的中立性を外部からチェックする何らかの中立機関、あるいは国会によるチェックが必要ではないかとの意見もありますが、その必要性も含めお答え下さい。

 同じく調査審議の対象とする「外国情報活動への対処」もかなり広く読める定義です。特に国内における日本人の活動の中で、具体的にどのような活動が含まれうるのでしょうか、過去に起きた具体的な事案の例示も含めお答えください。

スパイ防止法、対外情報庁

 いわゆるスパイ防止法及び対外情報庁について伺います。自民維新の連立政権合意書においては、スパイ防止法に関し「令和七年に検討を開始し、速やかに法案を策定し成立させる」とされていますが、今国会中又は今年中に法案を提出する予定はあるのでしょうか。

 同合意書では「令和九年度末までに独立した対外情報庁(仮称)を創設する」とされていますが、対外情報庁の創設について既に検討に着手しているのでしょうか。外国における武器の使用が困難である我が国の憲法上の限界を前提とした場合、現行制度上できないが新たに可能となりうる活動とは何か、具体的にお答えください。

政策と情報の分離

 会議体としての国家情報会議について伺います。各府省の事務次官級による現行の内閣情報会議を、大臣に「格上げ」することで具体的に何が変わるのでしょうか。むしろ、内閣情報会議は純粋な情報機関の統括であることが明確ですが、国家情報会議は大臣がメンバーになるため情報と政策の分離の観点からは、情報機関に政策が持ち込まれる可能性が高まる懸念にどう対応しますか。

 政策部門たる国家安全保障会議(NSC)と情報部門たる国家情報会議の関係についても、メンバーがほとんど共通であり、政策部門の意向で情報部門の仕事が歪められる、あるいはその逆の歪みが起きやすくなることはないでしょうか。政策と情報の距離をどのように保つのか伺います。

 また、現行ではNSCや国家安全保障局(NSS)が政策判断するに際し、内調を経ずに外務省や防衛省から直接情報収集するケースがほとんどと思われますが、本法案施行後は国家情報局で一旦情報を集約してNSSに伝えるルートと2ルートになるのでしょうか。両者の整理をご説明ください。 政策と情報の分離について、例えば、イランの核兵器開発がまだ続いているのかについて、米国では上院の公聴会で国家情報長官が、情報機関の情報をトランプ大統領に忖度して読み飛ばしたのではないかと問題となっています。3月2日の予算委員会で、高市総理はイランに対して核兵器開発をやめることを強く求める趣旨を答弁していますが、核兵器開発が続いていることを裏付ける何らかの情報があったのでしょうか。それとも情報はないが核兵器開発をやめるよう求めたのでしょうか。情報の内容について触れる必要はありませんが、お答えください。

民主的統制

 民主的統制について伺います。米国の上院下院の情報特別委員会は全情報機関に対し強い監視機能を持ちますが、我が国では衆参の情報監視審査会は、特定秘密及び重要経済安保情報の制度運用の監視のみしかできません。国家情報会議及び国家情報局が、制度運用を適切に行っているかどうかは、外部からどうやって知りうるのでしょうか。国会が国家情報会議及び国家情報局に対し、制度運用を適切に行っているか監視できる制度が必要ではないでしょうか。 米国の国家情報長官は毎年詳細なレポートを公表しており、我が国でも特定秘密保護法に基づき、政府は毎年国会への報告、公表が義務付けられ、情報監視審査会も毎年報告書を公表しています。国家情報会議は定期的に報告書を作成、公表すべきではないでしょうか。

国家情報局の人員

 国家情報局の体制について伺います。令和8年4月1日現在、内調の定員は約何人ですか。令和8年度機構定員要求の結果、本法案施行後、国家情報局長まで含めて何人増員になるのでしょうか。また、令和9年度以降、大幅な増員を検討しているのでしょうか。

 情報監視審査会の設置に先立ち、米、英、独など各国のインテリジェンス機関の調査に同行した際、各国で共通して聞いたのは、インテリジェンス人材が各情報機関の間を大量に人事異動することで情報機関相互の信頼が高まり、情報疎通が向上することでした。警察庁、外務省、防衛省、公安調査庁などの間の人事交流を徹底して行うべきではないでしょうか。

内閣委員会における質疑

 おわりに、令和8年度予算案審議が異例の短さと集中審議や分科会の拒否を職権で強行したことを深く反省頂き、本法案は国会による丁寧な審議が特に必要であり、内閣委員会における質疑では、少なくとも重要広範法案として最低20時間以上の質疑時間、参考人と総理入りの質疑が当然行われることを強く求め、質問を終わります。

【衆院本会議】国家情報会議法案への本会議質問原稿20260402.pdf

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