【衆院予算委】令和8年度暫定予算案について階幹事長、伊佐議員が質疑

 衆院予算委員会で3月30日、令和8年度(2026年度)当初予算案が年度内に成立しない場合の暫定予算案に関する質疑が行われ、中道改革連合から階猛幹事長、伊佐進一議員が質問に立ちました。

■階猛議員

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 階猛幹事長は、(1)暫定予算の編成理由と審議の在り方(2)日米首脳会談における憲法9条の制約(3)円安・物価高を放置する金融政策(4)評価最低ランクの投資減税――等について高市総理らにただしました。

■暫定予算編成の「不測の事態」と審議の形骸化
 階幹事長は、今回の暫定予算編成に際し「不測の事態に備えて」との文言が、過去の例には見られない異例の表現であると指摘しました。高市総理に対し、この「不測の事態」に国会審議を充実させる時間が含まれるかを問いましたが、総理は明確な言及をしませんでした。階幹事長は、拙速な衆院通過を前例にすべきではないと迫り、国民不在の「スピード優先」な審議の在り方について問題提起しました。

■日米同盟と平和主義を両立させる憲法9条の意義
 日米首脳会談をめぐっては、高市総理が憲法9条の制約について言及したかどうかと事実関係を確認。総理は「法律の範囲内」としつつ、憲法も含まれることを認めました。階幹事長はこれを受け、米国のイラン攻撃に対し法的評価を避ける日本が、戦争に巻き込まれるリスクを回避できているのは「9条があればこそ」であると強調。同盟維持と平和主義を両立させる現実的な最善策として、憲法9条を堅持し活用していくべきとの見解を示しました。

■円安物価高を招く愚策と金融正常化の必要性
 為替が1ドル160円台となっている状況について、階幹事長は「金融正常化」を強く要求しました。需給ギャップがプラス圏にある現状、政策金利の引き上げは景気を冷やすものではなく、正常な判断であることを提示。さらに、財務省が検討中とされる「原油先物介入案」について、外為特会の枯渇を招きかねない「無限のリスクを伴うギャンブルであり愚策」であると指摘しました。政府・日銀に対し、抜本的な政策修正を促しました。

■最低評価の「租特」新設にみる財政規律の欠如
 経産省が推進する「大胆な投資促進税制」が、総務省の点検で全ての項目が最低のE評価であることを明らかにしました。4100億円もの減収が見込まれる中、効果や因果関係が不明確なままの優遇措置を「とんでもない申請」であると指摘。階幹事長は、責任ある積極財政を掲げるのであれば、こうした不透明な「租税特別措置(租特)」の新設を客観的にチェックし、透明性を確保するよう総理に求めました。

■伊佐進一議員

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 次に質問に立った伊佐進一議員は、ガソリン価格の高騰や中東情勢の緊迫化、さらに核軍縮をめぐる国際協議について政府の対応をただしました。

 ガソリン価格については、現在の支援後の価格が1リットル177.7円であり、支援がなければ実質225円、暫定税率が残っていれば250円に近い水準になると指摘。政府が用意している1.1兆円規模の予備費で十分なのか見通しを求めました。これに対して赤沢経済産業大臣は、燃料価格の激変緩和措置として予備費を活用し、1兆円超の規模を確保していると説明した上で、今後も状況を注視しながら必要な対応を行い、またイラン情勢の長期化に備え、原油の備蓄放出や代替調達、医療分野を含む重要なサプライチェーンの確保について、エネルギーの安定供給と人命最優先の観点から、関係省庁を通じた情報収集や融通支援を進めていると答弁しました。

 ホルムズ海峡の安全確保について、日本が具体的にどのような役割を果たすのかを追及。これについて現時点で特定の行動を想定しているわけではないとしつつ、関係国と連携しながら事態の早期鎮静化を目指す考えを示しました。これについて伊佐議員は、日本はイランと米国の双方と関係を持つ数少ない国であり、仲介役としてより積極的な外交を行うべきだと訴えました。

 また、来月開かれるNPT(核拡散防止条約)再検討会議について、米英仏露中の5カ国のみ核保有を認める一方、非保有国には核開発や保有を認めず、保有国には軍縮の義務を課す枠組みだが、実際には米国とロシアの軍縮は進まず、ロシアの核威嚇、米国の核実験再開への言及。中国の核軍拡、フランスの核弾頭増強など、保有国の動きに懸念が高まっており、保有国が義務を果たさないまま非保有国にだけ制約を求めるのは不公平だと指摘しました。日本が唯一の被爆国として、NPT体制の維持・強化に向けて積極的に役割を果たすべきだとの考えを示しました。

 なお質疑終局後、討論・採決の結果、令和8年度暫定予算案は、中道改革連合などの賛成多数で可決されました。

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